知るほどに魅力的!ミツバチの生態

私たちにハチミツやローヤルゼリーという食品を与えてくれる益虫、ミツバチ。そのミツバチの魅力を、皆さんはどれだけご存知でしょうか。

この記事では、知れば知るほどに魅力的になってくる、ミツバチの生態についてご紹介していきます。

女王蜂と働き蜂について

女王蜂の役割

ミツバチの社会は、大きく分けて女王蜂と働き蜂とオス蜂に分類することができます。その中でも、一つの蜂の巣の中心に君臨する、女王蜂の役割はとても重要です。

女王蜂は巣の中でどのような役割を担っているのかというと、複数のオス蜂と交尾をして、そして産卵をするということが挙げられます。つまり、一つの蜂の巣の中で子孫を残すことができるのは、女王蜂しか居ないということです。

なお、女王蜂は数多生まれる蜂の中で、一匹のみがローヤルゼリーを食べることでなることができます。ですので、女王蜂とその他の蜂の違いはローヤルゼリーを食べているか否かというその一点だけであるのも面白い部分です。

働き蜂の生態

次に紹介するのが、働き蜂です。働き蜂は、よく外を飛んでいるのを目にすることも多いと思います。

さて、この働き蜂、実は全てがメス蜂であることをご存知でしょうか。オス蜂は女王蜂との生殖行為を行うため、女王蜂以外のメス蜂が働き蜂として活動をするのです。なお、ミツバチの針は産卵器官の名残であるため、オスの蜂には針がありません。

働き蜂は蜜源となる植物からハチミツを採取したり、花粉を食べてローヤルゼリーを作り出したり、巣の管理から防衛をするなど本当に働き詰めです。蜂の社会においては、必要不可欠な存在だと言えるでしょう。

ミツバチの学習能力

学習能力はとても高い

虫はその体の小ささから、学習能力が無いようなイメージを持たれていることも少なくありません。しかし、ミツバチについては、虫の中でも特に学習能力が高いことが知られています。

ミツバチの学習能力の高さを証明する点として、匂いを記憶している点があります。ハチミツを採取するためには、特定の花が開花した香りを知っていなければなりません。ミツバチはその匂いをしっかりと覚えているため、特定の花が開花すればそれを察知し、蜜を取りに行くのです。

それに、数多ある蜜源となる花を、どのようにして効率よく回って蜜を採取していくのかという計画を立てる力も持っています。このような点から、ミツバチは高い学習能力とともに知能を持っていると考えられるでしょう。

情報伝達力もある

ミツバチの学習能力が高くなるのは、それぞれの個体の能力が高いだけではありません。的確な情報伝達をする方法が確立されており、仲間内で情報共有ができることも理由の一つです。

ミツバチのダンスと呼ばれている八の字を書くように動く行動は、蜜源となる植物や水場の場所を教えるサインです。この方法を使うことで、一つの個体が得た情報を多くのミツバチが得ることが可能となります。

学習能力の高さは、ミツバチが集団であり、その集団が精密な情報共有を行えているという点でも実現させられているのです。

ミツバチの分蜂とは

ミツバチは引越しをする

徐々に暖かくなりはじめる頃、時期的には4月から6月頃に、ミツバチが一箇所に群れをなして集まっている姿を見ることができます。これはミツバチが分蜂という引越しをするために、一生懸命活動をしている姿です。

ミツバチが引越しをする理由は、新しい女王蜂が生まれることで、古い女王蜂が別に巣を構えなければならなくなるからです。ミツバチは、一つの巣の中に女王蜂が二匹いることがありません。そのため、新しい女王蜂が育ってくると、今までの女王蜂の退去を迫られるのです。

身を引く立場の古い女王蜂は、一部の働き蜂を引き連れて新しい場所で巣を作り、そして再びそこで活動を開始します。

養蜂において欠かせない分蜂

ハチミツを作るための養蜂は、実はミツバチの性質である分蜂がなければ開始できません。そう、養蜂にとって、分蜂は欠かせない要素なのです。

ミツバチは分蜂をするとき、新しい巣を作るために適した場所を探します。その時に養蜂用の巣箱を巣に適切な場所だと蜂に認知させれば、巣箱へ新しい蜂の群れを誘導し、巣を作ってくれることに繋がります。

人間がミツバチにとって心地の良い場所を提供し、引越しをしてもらい、ハチミツを作ってもらう。ハチミツ作りと、ミツバチの分蜂は意外な部分で接点があるのです。

まとめ

ミツバチの生態はいかがだったでしょうか。その小さな体からは考えられないような力、そして社会性を持っているのがミツバチの魅力の一つだと言えます。

まだまだミツバチの生態の秘密は分からずに、ミステリアスな部分も多く残されています。これから先、さらに研究が進んで、もっとミツバチの生態について深く知れる時がくると良いですよね。